問屋(商社)は日本独自のシステムです。
問屋とは、メーカーと販売店の間に入っている会社です。
問屋をどこに設置するか考えることで、節税へと繋がります。
その秘密を、紐解いていきます。
日本独自の流通システム(問屋、仲卸し)省いたら、そりゃ物は安くなるよ。でも何人もの生活を奪う。なんでも安く買うことが良いことじゃない。
— minoru (@minoru_ykhm) 2010年5月18日
目次
問屋を販売代行業者として設置し、節税を図るスキーム
- そもそも問屋とは何か?
- 問屋を設置することで、どうやって節税するのか?
見ていきます。
補足 この節税は、さりげないものです。 しかし、今回のようなさりげない節税を積み重ねることで、大きな節税へと繋がっていきます。 「節税の基礎になる考え」として、参考にしてください。 |
何事も、まずは基本を守ってやってみる。基本は本当に大切だよ。
— ネットビジネスの基礎知識@相互フォロー (@knowledge_b5) 2019年1月7日
問屋とは
問屋とは、一般的には卸売業者のことを指します。
商品を生産者から仕入れ、その商品を小売店など販売者へ売り渡す業者のことです。
問屋を介した商品の流れは下記になります。
生産者・輸入者 → 問屋 → 小売店 (お店) |
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問屋とは
生産者・輸入業者・一次卸売業者などから商品を仕入れ、主として最終消費者以外に対して販売を行う流通業者。卸売商。
デジタル大辞泉より引用
問屋と卸売業者は法律上は別物
問屋と卸売業者の意味は、一般的には同じです。
ただし、法律上は別のものとして定義されています。
頭の隅に置いておいてください。
問屋 | 法的に、取次ぎを業として行う人、または企業のことを問屋と言います。
商法では、「自己の名で他人のために、物品の販売、又は買い入れをする事を業とする者」と定義されています。 |
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卸業 | 卸業は、商法に明確な定義づけはありません。
よって、法的には問屋と卸業は違う性質を持つと言えます。 なお、商法の551条に記載があります。必要に応じて確認しましょう。 |
委託者を利用した節税スキーム「問屋スキーム」
ここで、問屋スキームを紹介します。
「日本で販売業を行なっている会社が、問屋スキームを利用するとどうなるのか?」を例に取り上げます。
通常の販売会社の概略
販売会社は通常、「商品の仕入れ - 販売の差額 = 粗利」として商売を行なっています。
このシンプルな流れの間に、「問屋」を挟むことで、節税できます。
販売会社は、通常ですと下記の図の流れで商売を行なっています。
これに、1つ会社を挟んであげるだけで、節税へと繋がります。
問屋スキームの概略
問屋スキームで登場する会社は下記です。
イメージ的には、「先ほどの流れの中に会社が1つ挟まった!」という形です。
問屋スキームで登場する会社
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これにより、もともと販売会社であった子会社は、「委託者」へと性質を変化させます。
商品販売のオペレーションを請け負う形です。
そして、間に挟んだ会社は「問屋」として、委託者の販売代行を行います。
流れ的には、
- 子会社(委託者)が親会社から商品を仕入れる
- 子会社が顧客に販売する際に、問屋を仲介させる
- 商品は子会社を通さず、「親会社→問屋→顧客」という流れ
になります。
図にしてみました。
シンプルな商売に1つ会社を挟むことで、お金の置き所を調整できます。
例えば、子会社をタックス・ヘイブンに設置します。
そうすることで、タックス・ヘイブンの恩恵を受けることができ、節税に繋がります。
タックス・ヘイブンの活用については、以下の記事にまとめています。参考にしてください。
→ 輸入物販・転売・せどりビジネスを例にタックス・ヘイブンの活用法を徹底解説!
自社にとって有利なスキームを組もう!
このスキームでは、どこの国にどの会社を配置させるかが重要です。
「親会社・子会社・問屋」をそれぞれ別の国に設置する、「子会社・問屋」のみを同じ国に設置するなど、様々な組み合わせが考えられます。
どこの国に、どの会社を設置するかにより、利用できる税制や優遇措置は異なります。
自社にとって有利な税制を考え、スキームを組みましょう。
最後に
「節税」と聞くと、スゴ技のように感じます。
しかし、あまりに激しいと「脱税」や「租税回避」とみなされて、追徴を食らう恐れがあるものです。
大きな節税が話題を呼んで、無理やり追徴させられてきたのが過去の歴史です。
米グーグル、17年に租税回避地バミューダに230億ドル移転=文書
— 一部報道 (@ichibuhoudou) 2019年1月3日
節税は法律の範囲内で、ちょこっとやりましょう。
今回の問屋スキームのように、ちょっとした節税を少しずつ積み重ねて、オリジナルのスキームを作りましょう。
小さなことの積み重ねが、大きな成果を生みます。